八雲オンリーの記事でも触れましたが、今週末3月25日開催の複合型イベント『とりろじ02』内で行われる、『東方不敗小町ぷちこまち2』の『斑鳩1400年祭』に参加します。(複合型イベントなのでちょっとややこしい……
主催HPの参照をお勧めします)
スペースは
『C-03a』、サークル名は
『投擲クロワッサン』。
新刊は
『夢殿恋仙歌』となっています。
こんな感じ。
成年向なのは私のせいです。にゃんにゃんとふとちゃんが延々とベッドの上でいちゃいちゃし続けるだけの短編を書きました。楽しかったです(小学生並みの感想)
喪うのは、いつも春だった。
あの頃の記憶は今や、夢現に見る幻のように覚束なくて、像を結ぼうとしても端からほどけてしまうような、輪郭のない色彩でしかない。けれど、梅の花が薫る中で誰かと交わした言葉だけは、何度となく蘇って――そしてその朧さ故に、喪失の疼痛を呼び起こしていた。
・・・・・・・・・・
――なんだ、結局文句はないのではないか。
「ちゅぷ……ん」ゆっくりと口を離し、唇を濡らしたぬるい唾液を舌先で味わいながら、「青娥殿。実に良い機会だ、このまま二人で目覚めの運動をしよう。うむ、我ながら冴えた提案であるな。そうであろう?」
「……」
「む。な、なんじゃその視線は」
・・・・・・・・・・
二人の間に己がいる場所など少しも残されていなかったのだと、そんなことばかりが蘇るのだ――春には。
「なあ、青娥殿、我は」
「物部様」割れそうになる声を、青娥の呼びかけと白い手が穏やかに遮った。「物部様は、春がお嫌いなのですね。だから、怖がりになってしまわれる」
「……うん」
合同新刊『夢殿恋仙歌』(なめにげ『ひとひら』ぽんぬ『春情、暁を』)
A5オフセット 表紙カラー 44P小説本
頒布価格500円(予定)
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